送電工事プロジェクトストーリー 災害復旧プロジェクト

安定供給を
止めるな!

2004年7月18日未明、福井県嶺北地方を襲った豪雨は、足羽川流域に大きな被害をもたらした。北陸電力送配電の設備にも被害は及び、増水した川の流れによって鉄塔の基礎が損傷するという事態も発生した。

知らせを受けて送電マンたちが駆けつけたとき、河岸の地盤に建つ鉄塔は、送電線の張力によってバランスを崩しはじめていた。「このままでは、不安な気持ちで電気の復旧を待っているお客さまに、電気を届けられなくなる……」。送電マンたちの間に緊張が走った。

次の状況が予測しにくい災害復旧の現場では、作業にも多くの困難がともなう。頼りなるのは経験を積んだ送電マンたちのとっさの判断力と技術力だ。

応急処置を施した上で、復旧工事の方針や手順を電力会社と入念に協議する。「一分一秒でも速く」と焦る気持ちを抑えながら、降り続く雨の中、送電マンたちは冷静に、そして確実に復旧作業を進めていく。

いっぽう、天候状況などを予測・予見して設備を守り、停電事故を防ぐことも送電マンの重要な任務だ。

とくに多雪地帯の北陸では、冬場の着雪対策が欠かせない。湿気を含んで重く、粒どうしが付着しやすい北陸の雪は、送電線や鉄塔上に巨大な雪の固まりをつくることがある。それを取り除く作業が必要となる。

地域の安全・安心を守るという熱い使命感に突き動かされ、送電マンたちは吹雪の中も鉄塔に上り、付着した雪の固まりをひとつひとつ取り除いていく。

地域の生活や産業に欠かせない電力。その安定供給体制は、送電マンたちの日々の仕事によって守られている。